
そばのおいしさ
そばは古くから食されている食材で、世界のあちこちで様々な食べ方で親しまれています。
現在のそばは「そば切り」と言って、麺棒で伸ばし、細く切って茹でて提供するというものですが、これは江戸時代に入ってから広まったそうで、それまでは「そばがき」と言ってお湯でのばしたものを食していたという事です。
そばに含まれているルチンは毛細血管を強化し、血圧を下げる効果があり、ミネラル分、鉄分が多く女性の貧血予防にも効果があるそうです。
ルチンの他、ビタミンB1、B2が豊富で、大変栄養価の高い健康食品であると言われています。
とんでんでは、抹茶を練り込んだ茶そばを提供しています。どうぞのど越しの良い「とんでんの抹茶そば」を是非お召し上がり下さい。
関東おすすめメニューが新しくなりました。
夏の特別企画 ~9月2日まで。
ミルク
今年の関東は、7月のカレンダーをめくってやっと梅雨明け宣言という何ともフラストレーションの溜まる夏の始まりでした。
夏休みに入った子供たちにしたって、朝からかんかん照りのお日様に、にこにこ顔で肩に大きな浮輪をかけて、うしろから車にクラクションを鳴らされながらも友達とはしゃいでプールに向かうのが本来の夏なのだ。
帰り道の夕立だって、シャワーでも浴びるかのようにきゃあきゃあ言い合いながら、さして急ぐでもなく、げらげら笑いながら雨の中を濡れて帰るのがたまらなく好きなのだ。それでお母さんに怒られたにしても。
午後2時を過ぎて、突然の雷雨に見舞われた。1台の車が雨をついてお店に向かってくる。ワイパーが、まるでばしゃばしゃ音を立てて激しい雨をはじいているのが聞こえてくるようであった。玄関近くの駐車場に停め車のエンジンが切られた。
雨脚(あまあし)がおとろえてくるのを待っているのか、降りる気配がない。車のナンバープレートは山梨ナンバーであった。いくぶん、雨の勢いが落ちてきたところで、昨年入社の男子社員が大きめの傘を差して出て行った。左手に別に傘を持って。
運転席の窓ガラスをこつこつと叩いて、「お客様、どうぞ」と傘を指で示した。運転席側のパワーウインドーがしゅーっと下がって、若い男のお客様の顔があらわれ、どうも、と軽く頭を下げる。
フロアー担当の彼は「よろしかったら、どうぞ傘をお使いください」と傘を持つ手を少し振る。後ろの席には、小さな赤ちゃんを抱いた若い奥様が見えた。
「すみません」と言ったのは奥様のほうだった。
「じゃ、お世話になろうか。降りるぞ」とご主人。まず、降りてきたご主人にフロアー担当の彼は「お客様、こちらの傘をどうぞ」と彼が差していた傘を渡す。
そして「私は奥様とお子様に傘を差して、お店にご案内致します」と続け、もう1本の傘を開いた。その時、すでにフロアー担当の彼の顔には雨があたって、しずくが流れている。
ご主人は彼から受け取った傘を片手に後部ドアを開ける。奥様がお子様をかかえて降りてくるのをすかさず、フロアー担当の彼が傘を差す。
「うわあ」と奥様は一瞬、声を上げる。
「お客様、お先にお店へどうぞ」とご主人に声を掛けると、ご主人は車の後部ドアを閉め、車のキーをロックして急ぎ足でお店に向かった。
フロアー担当の彼は、自分が濡れるのもかまわず、親子に傘を差し、お店に入る。入ると、パートさんが乾いたタオルを持って「いらっしゃいませ。少し濡れてしまいましたね。お拭き致しましょう」と赤ちゃんの顔にほほえむようにしてから、赤ちゃんの服とお客様の肩などについた雨のしずくを拭いて差し上げた。
奥様が傘を差してくれた彼に「大丈夫ですか。ありがとうございます」と頭を下げる。彼の頭は濡れて、まるでプレー中のサッカー選手の頭のようになっていたが、笑顔でご心配なくという顔でこたえる。
「和食レストランという看板を見て入りました。畳の席はありますか」と赤ちゃんをよしよしするようにして奥様は聞いた。
「はい。ございます。どうぞ。お席にご案内致します」と、乾いたタオルでお迎えしたパートさんがバトンタッチするようにお席にご案内した。
メニューを差し出すと「おなかすいたな。お鮨があるぞ。何にする?」とご主人がうれしそうに奥様に声をかける。「私もお鮨」と奥様。
「それじゃあ、さざんかで決まりだ。天ぷらもそばも茶碗蒸しも付いている」とあごをなでながら、奥様の目を見る。「私も食べたい。おなか、ぺこぺこだもの。それにソフトクリーム」と奥様。二人は互いにおかしそうに笑う。
お二人の会話をほほえましく聞きながらご注文を受けた。
お食事が出そろう前に、奥様がお呼びになった。
お席に行くと奥様から「すみません。これにここまでお湯を入れてください」と、粉ミルクの入った哺乳瓶を手にお願いされ、パートさんは笑顔で「かしこまりました」とお受けした。
そして数分して哺乳瓶をお持ちし、「ほどよい温度に冷ましてお持ちしました。私も2年前まで飲ませていましたので」とお伝えすると、「ありがとうございます」と奥様はえくぼをへこませた。
そのあとすぐに、「お待たせ致しました」と料理を運んで来たのは、濡れた頭をととのえ、濡れたワイシャツを着替えたフロアー担当の男子社員だった。
整髪仕立ての彼の顔を見て、お二人は少し驚いたような顔をして「先ほどはありがとう」と言ったのはご主人の方でした。
とろろ昆布
8月11日の土曜日のことだった。札幌はお盆に入ると朝夕は気温が落ち始めるが、日中は関東と同じくらいの30度以上になる日もある。
関東の店舗で勤務していたこともある30代なかばのパートさん。3年前にご主人が札幌に転勤になり、埼玉から引っ越して来て、札幌のお店に勤めることができて、彼女も転勤してきたかのような思いであった。
お盆期間はお墓参りのご家族連れのお客様が午前11時を過ぎると、徐々に増えてきて、12時に満席になることが多い。
お客様の入り具合を気にして駐車場を見ていたら、大宮ナンバーの車が入ってきた。「なつかしい」とパートさんは心の中でつぶやいた。
小学校低学年の男の子と女の子が車から降りて、お店に走ってくる。お店に入るなり、「とんでんだ。札幌にもあるんだね」と姉弟のお二人は珍しそうに店内を眺め渡す。
「いらっしゃいませ」と笑顔でお子様たちを迎える。
遅れてご夫婦でお店に入ってきて、「札幌なのに、ちっとも涼しくないのね。お店はエアコンが効いているから涼しいけどね」と奥様はご主人に言って、お子様たちを抱えるようにする。
「いらっしゃいませ」と改めてご一家をお迎えする。
「喫煙席と禁煙席がございますが、どちらになさいますか」とパートさん。
「禁煙、禁煙」と下の男のお子様。「おんなじだね」とお姉ちゃんに言うと、お姉ちゃんは、うん、うんと首をたてに振っている。
「畳席と椅子席のどちらになさいますか」とパートさん。
「いすせき、いすせき」と男のお子様。また、「おんなじだね」とお姉ちゃんに言うと、お姉ちゃんは同じく、うん、うんと首をたてに振ってにこにこしている。お父さんもお母さんも笑っている。「おんなじだね」とお母さん。ご一家で顔を見合わせて笑っている。
「ご案内致します。こちらへどうぞ」とパートさん。
メニューをお渡しして、「本日のおすすめは、こちらのいろどりどんぶりとなっています」と申し上げると、ご主人が「今日は土曜だけどランチメニューやってます?」と聞く。
「ございます。こちらでございます」
「そう。ありがとう。関東にはない、北海道だけのメニューがあるんだよね」と聞く。
「あった。これこれ。いか刺身・天ぷら定食。お袋が好きだったんだ。2日前のフェリーに乗れて良かった」
「失礼ですが、埼玉からでいらっしゃいますか」とパートさん。
「そう。浦和。3年振りのお墓参り。子供たちは夏休みだしね。兄も東京だし、妹は名古屋に嫁いでいる。こっちにあるのは親父とお袋のお墓だけ」
「そうでいらっしゃいますか。私は大宮でしたが、主人の転勤で3年前に札幌にきました。どうぞ、ごゆっくりお過ごしくださいませ。ただ今、お茶とおしぼりを持って参ります」と言っているうちに、別のパートさんがお茶とおしぼりを持ってきた。
「皆様のご注文がお決まりになりましたら、またお伺い致します」と申し上げて下がった。
ご一家のご注文内容はご主人はご希望どおり”いか刺身・天ぷら定食”「メロンがおいしそう」と奥様は”ひまわり”、「おしゃれ」とお姉ちゃんは”恵膳”、男のお子様は「やっぱ、サッカーでしょう」と”サッカーボール”でした。
デザートの付いていないご主人と男のお子様お二人は、食後に北海道日高産の生乳を使った「ソフトクリーム!」とご注文された。
お食事をお運びしたところ、すぐにご主人がお味噌汁のふたを開けて、「う~ん、これこれ。親父が好きだったんだ。とろろ昆布。今年の夏は北海道に来て良かった」と笑った。
「パパ、良かったね。ぼくはおじいちゃんとおばあちゃんに会えなかったのはさびしかったけど」と男のお子様。
うん、うんとご主人。「さあ、食べよう。おじいちゃんもおばあちゃんも京香と友哉が来てくれて喜んでいると思うよ。さあ。午後からは函館へ向かっていくぞ」
一瞬、我を忘れて立ちつくしていたパートさん。はっとわれに返り「ごゆっくりお食事をお楽しみください。何かございましたら、いつでもお呼びください」とお辞儀をしてお席を離れた。
33卓
今年の夏の暑さは異常です。とにかく暑い。史上最高気温を塗り替えたところも多い。朝も日が昇り始めたら、ぐんぐん気温が上がっていきます。 8月のお盆を過ぎた日のこと、午前11時をちょっと過ぎたころに福島ナンバーの車がお店の駐車場に入ってきた。お店の玄関が開くと蝉の鳴き声の合奏も入ってくる。み~ん、み~ん、み~ん、みぃ~ん……。
25歳前後の若いカップルのお客様であった。「いらっしゃいませ」とパートさんがお迎えすると、「あらっ」と女性のお客様が明るくほほ笑んだ。パートさんも声には出さなかったが、あらっという顔になった。「去年、いましたよね」とお客様が言う。
「はい。おりました。今日はお早いんですね」とお聞きすると、「お昼を過ぎると混むと思って、今朝6時半に出てきました。少しロングなドライブです」と笑う。
「それはお疲れでしょう。お席にご案内いたします」とパートさん。
「暑いのですが、エアコンが余り近くない席にしてください」とおなかをなでる。「7カ月なんです」と女性のお客様。うれしそうだ。
「ぼくたち、去年の暮れに結婚したんです」と男性のお客様。「そうだ。33卓あいていたらお願いします」と続ける。「去年と同じ席?」と若い奥様が若いご主人に言って、ご主人の腕に手をからめる。「うん。今年は3人だね」とご主人も奥様のおなかを見ておだやかに笑う。
お席にご案内して、「本日のおすすめは生さんまでございます」とご紹介すると、奥様が「去年は生のいわしを食べたの。おいしかったわ。生さんまも楽しみね」とご主人の顔を見て言う。幸せそうだ。
いったん下がって、おしぼりと、お茶だけでなくお冷やもお持ちしたパートさん。「うれしい。のどが乾いていたところなの」と奥様が言ってお二人で、お冷やグラスで乾杯をしている。
ご主人がフロアーのパートさんに言う。
「去年、この席でプロポーズをしたんです。ここは一生、忘れられないお店、そして33卓です」
メニューが新しくなりました。
光りが大好きです
秋の味覚『さんま』の美味しい時期になってきました。
北海道では8月中旬頃に水揚げが始まります。
『さんま』は北から南下してきますが、北海道で獲れた『さんま』が最も脂がのっており、焼くのは勿論ですが、刺身で食べても最高に美味しく召し上がれます。
今回は、美味しい『さんま』の面白い漁獲方法についてお話させて頂きます。
『さんま』は棒受け網漁(ぼううけあみ)という方法で獲られています。この漁は日没から夜明けにかけて行われ、漁船に取り付けられている集魚灯というライトを照らして行なわれます。
魚は夜、光に集まる習性があり『さんま』は特にその習性が強いと言われています。そして左舷側、右舷側の灯りを順番に点灯させて、さんまを誘導し、ゆっくりと網に誘い込むのだそうです。この漁法を行なう事で、魚体を傷つけず、鮮度の良い『さんま』を水揚げする事が出来るのだそうです。『さんま』の習性を上手に利用したすばらしい漁法ですね。
今年もとんでんでは、北海道根室より直送された
『生さんま』メニューを期間限定で販売しております。
脂ののった産地直送、旬の『さんま』を是非お召し上がり下さい。
お子様メニューが新しくなりました