とんでん
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ちょっといい話
2008年04月 の記事
2008年04月07日

新入社員導入研修①

 今年のとんでんの入社式は桜の花咲く4月1日におこなわれました。20数年前から、入社式の前に6日間の新入社員導入研修が泊まり込みでおこなわれています。


 学生から社会人になるための、たとえて言うと、サナギから蝶になるための羽化の期間をもうけています。


研修を担当するのは現在、とんでんビジネススクールのスタッフ。社会人として必要なマナー、食堂業に身を置く者の必要な知識、鮨手握り実習もあります。


今年のタイムスケジュールには、社長講話はじめ、営業部、商品部、事業開発部、人事部の時間も組み込まれていました。


 これから紹介するのは、営業部の時間で新入社員に熱く語った、今年3月1日付で営業部長に昇進したG部長の話の要約です。


 このG部長の逸話(いつわ)については、この"ちょっといい話"で、昨年1月の「風の音が聞こえるか」、5月の「伝説のジャンケン王」、7月の「怒涛の最終回」で登場しています。


それではこれから3回の連載で、G部長の熱いメッセージの部分だけを要約してお贈りします。


 きっと、年齢、職業を問わず、胸をゆさぶるものがあると思います。

 〇…私は昭和34年に生まれまして、今年49歳を迎えました。営業部長とは言え、皆さんと同じ部長の1年生です。49歳になり、24歳の息子と22歳の娘がいます。だいたい皆さんと同じような年代の息子と娘を持っています。


 私が入社したのは昭和57年、札幌のとんでんです。北海道の店舗を2店舗経験し、昭和61年に関東のとんでんに来ました。当時、関東の出店をしていこうということで出店ラッシュがかなりの勢いで続きました。


 出店ラッシュを通して、店長、地区マネジャー、次長、そして今年の3月1日付で営業部長として仕事をすることになりました。


 自分の入社した頃のことを思い返しますと、もともとの入社動機というのは、大学生の時に一人暮らしをしていたのですが、今の時代とは違い、食べること自体に不自由をしていたというと、両親に失礼かもしれませんが、とんでんという会社に面接に行き、当時ランチで580円のすし定食というメニューを食べた時に、ものすごく感動しました。


 お昼の時間とは言え、580円で鮨を食べられるという会社にものすごく魅力を感じ、それで入社しました。


 食べることに苦労はしないだろう、食に携わっている仕事であればそういった苦労はないだろうということで、不純な動機であったのかもしれませんが、縁があってとんでんに入社し、正直、入社できなかった大手企業に絶対に負けない気概を持って、一流、超一流のことをやってやろうじゃないか! という気持ちが自分にありました。そこから北海道の店舗を経験し、関東に来て、はや49歳を迎えます。


 これから鮨の手握りの実習に入っていくと思いますが、アルバイト経験のある方がいると聞いております。


 アルバイト経験がある中で、実際にお鮨を握っている方も中にはおられると考えますが、今日が初めて手握り実習であっても、アルバイト経験のある方に少し遅れをとっているかもしれませんが、大事なことは「負けたくない!」という気持ちです。


 結果としてアルバイト経験のある方に、遅れを取るかもしれませんが、大事なことはそのハンディを背負ってでも「絶対に一番になってやるんだ!」という気持ちが大事なのです。


 たとえ一番になれなかったとしても、その悔しさがあれば、また次の目標に向かってスタートしていけば良いのです。悔しいという思いが必ず次の目標に向かっていく力になります。


 負けたことをしっかり自分の心に受け止めて、次は絶対に勝つんだ! という気持ちを持つことが大事なのです。


 私は2年前まで店長でした。一昨年の春に次長職の辞令をいただき、この春、部長職の辞令をいただきました。


 店長だった時の話ですが、毎日が戦争のような日々で土曜日、日曜日はさらに忙しく、特に私共で言う繁忙期とはゴールデンウィーク、お盆、年末年始で、年に3回は勝負の時期です。


 その繁忙期を万全に迎えるために何をしようか、お客様により多く来店していただけるために「今、何をやらなければいけないか?」ということを常に考えました。仕事というのは競争です。繁忙期に向かって自分の心の中では、気持ちの中では、ケンカの準備でいました。


 競争はケンカです。ケンカに負けるか、勝つかなのです。競争相手と決めた相手に負けるケンカもあれば、自分が決めた目標に負けるケンカもあるのです。負けるだけではなく勝つケンカも、もちろんあります。


 ケンカの準備をして繁忙期を迎えるのですが、このことにどれだけ自分が頑張れるか、頑張ったか。絶対に負けない! という気持ちがあれば頑張れるのです。


 頑張れば頑張るほど「誰にも負けるはずがない!」と自分自身に言い聞かせるのです。こういう気持ちが本当に大事だと考えます…〇

つづく

2008年04月09日

新入社員導入研修②

 前回につづく、新入社員導入研修における、G営業部長の熱いメッセージの部分その②をお贈りします。


 〇…新入社員の皆さんは、入社式を終えて店舗に配属されますが、その前にこの導入研修での鮨手握り研修の競争があります。


 誰が一番を取れるか、全員に期待をしながら楽しみにしておりますが、勝ち負けの話をさせていただくと、勝つのはたった一人です。


 2番もビリも同じです、という言い方はこの研修の場では厳しすぎるかもしれませんが、勝つのはたった一人なのです。


 つい、昨日まで学生だった皆さんは、50人いれば25位以内に入れば及第点、合格であろう、と自分を慰める人がほとんどだと考えます。しかし、社会人として、仕事人として、プロとして、勝ち負けの話をするのであれば、二番も負けです。そういった競争意識というものをしっかり持ってほしい。


 そして必ず一番を取るんだ! という高い志(こころざし)を持っていただきたい。


 店舗に配属されても、身近な目標を一つ一つ自分におきながら、その目標を一つ一つクリアすることによって、皆さん方は成長していき、店舗にとっては本当に大切な人財になっていただけると考えます。


 その中で、自分はどうなりたいのか、ということも大事なことだと考えます。


 競争をして一番を取るんだ、ということももちろん大事です。そして将来どうなりたいのか、ということも本当に大事なことなのです。


 自分の目標というものを身近な目標、半年後の目標、一年後の目標、三年後の目標、もっと先の目標というものを自分自身で決めた目標であるならば、必ずやり遂げるんだ! という鋼(はがね)の意志を持っていただきたい。


 何をやっても簡単にあきらめないで、目標を掲げたからにはどこまでもその目標に向かって、執念を持って自分に負けないで取り組んでほしい。そのことが自分自身を強くします。たとえ負けても強くなれます。勝ってもっと強くなれます。


 その目標の置き方、そして自分自身はその目標に対して本当に誠実に向き合ってチャレンジするための行動をしていったか、いなかったか、ということを振り返り、反省することも自分自身を大きく成長させるんだ、と思ってください。


「目標は高く!」ということを皆さんにお願いします。


 私が店長だった時の話ですが、3年半いた店舗の2年くらいたった頃、本当に仕事が少しずつうまくいくようになっていきました。


 そのきっかけは、初めの2年間は「仕事のさせ方」を考えてきました。しかしながら、自分の考えを強要する考え方では決してうまくいかないなと思い直し、「仕事のしてもらい方」ということを考えるようになりました。


 そしてパートさん一人一人に、本当にやりがいを持って仕事をしてくださるようになったな、と感じ始めた時、本気でこの店を『世界一のレストラン』にしてやろう、と思いました。


 そのことをミーティングで、パートさんに伝え始めたのですが、その当時はおそらく大半の従業員がピンときていなかったのではないかと思います。


 しかし、従業員であり仲間でもある一人一人と個別に理解を深め合い、自分の弱さをさらけ出しながらも、一人一人の心をつかみ取ることで、どんどん私の考え方をわかっていただけるようになって、その2カ月後、3カ月後くらいに、ミーティングでまた同じ話をしました。


 この店を『世界一のレストラン』にしてやるんだと!


 その時、パートさんたちは私の考えに共鳴して、本気になって世界一を目指してやろうという気持ちになってくれたように感じました。なぜなら結果としていろいろな数字に表れてきたからです。


 人に動いてもらおうと思えば、その人の心をつかまなければ駄目だということを心底感じました。


 新入社員の皆さんにはサービス業としてのとんでんを選んでいただきまして、縁あってこういった導入研修にも参加していたただいていると思いますが、やはり、お客様に喜んでいただける職業を選んだということです。 お客様の喜びを本当に自分自身で感じ取って、そのことがやりがいに結び付くような仕事を選択してくれた、ということでは、お客様だけではなく、仲間の従業員に対しても、人と人との温かみのあるコミュニケーションを大切にしていただきたい…〇


つづく

2008年04月10日
2008年04月11日

新入社員導入研修③

 前回につづいて、新入社員導入研修における、G営業部長の熱いメッセージの部分その③をお贈りします。

 〇…店舗には店長をはじめ40名~50名、多い店舗では60名以上の従業員がおり、年齢層の幅の広い従業員さんで、若い人で言えば高校生のアルバイトさんからおります。


 幅広い年齢層の中に新入社員として配属されますので、やはりしっかりとした挨拶、返事、そういったものが大事になっていきます。第一印象というのは非常に大事です。


 サービス業としても第一印象は大事です。とんでんを利用されていないお客様が初めてとんでんを利用されたとき、いらっしゃいませの笑顔、発声の第一印象で、イコールとんでんを評価してくれますから、このことは本当に大切なことなのです。


 新入社員の皆さんも、店舗に配属されましたら明るく、はきはきした声でしっかり挨拶をして、しっかり明瞭な声で返事をしていただきたい。


 皆さんが店の中で誰にも負けないことというのは一つだけあります。


 導入研修を終えて、初出勤お店に入っていく時、40~60名いる従業員の中へ、誰にも負けない一番の元気で店に入っていけるからです。


 店舗にはそのことが新鮮なことで、良い意味でも刺激をあたえ、店舗を活性化してもらえるきっかけにもなる、と感じています。挨拶は仕事をする者が身につけなければならない「最低の礼儀」です。返事は「やる気」です。


 店舗に配属されてからもいろいろなことで壁にぶつかることがあると考えます。けれども、仕事は、うまくいかないからおもしろいんだ、と思ってほしいのです。簡単に自分の目標が達成してしまえば、何もおもしろみがないんだ、と思ってほしいのです。


 自分の目標をどこに置くか、その目標に対してうまくいったか、いかなかったかという時もあるでしょうが、やはり志(こころざし)を高く、目標を高く持って、だからこそ壁にぶつかって目標が達成できなかった、仕事がうまくいかなかった、でもだからこそ仕事というのはおもしろいということがあとあとわかっていきます。


 例え話になりますが、ゲームでも攻略本を見ながらゲームをすると、こんなおもしろくないものはありません。いろいろなことを考えながら、いろいろなことを模索しながらゲームクリアに向かっていくからこそやり遂げた達成感があるのです。「やってやった!」というやりがいがあるからこそ、おもしろいのです。仕事もうまくいかないからおもしろいのです。 特に一番、心に置いて行動してほしいということでお願いしたいことなのですが、人生成功の最大公約数は積極性にあり、と言われています。


 先ほど社長から1年目でできない失敗をたくさんしなさいと、それだけ積極的に進んで失敗をするぐらいの気持ちで、いろいろなことに挑戦していってもらいたい。


 仕事は教えられるものではない、与えられるものでもない、自分で吸収していくものだ、自分で盗んでいくものだ。


 私が入社した当時は、仕事は見て覚えろ、見習えということを何度も先輩社員に言われたものです。


 一つのことをやるにしても、与えられたことをやるにしても自分自身で積極的に仕事の幅を広げていく、視野を広げていく、知識を深めていく、なおかつ自分自身の積極的な行動が自分のためになっていく、自分の成長の養分になっていくことなんだということも認識していただきたい。


 ここにいる50名の研修生は同期の仲間でもあります。仲間ですが、同じスタートラインについた競争相手です。


 仲間でもライバルなんだということをしっかり認識してもらいたいのです。でも『されど仲間』なんだ、ということもしっかり心にとめておいていただきたい。


 同じ日に入社した仲間ですから、いろいろな意味での競争もしてもらいながら、いろいろな意味で横のつながりを持っていただきながら、決して傷のなめ合いではなく、良い意味での激励をする、相談をしたり、相談に乗ったりする大切な仲間になっていただきたい。


 これからそれぞれの店舗に配属され、仲間でもある他の方々の仕事ぶりや成長ぶりは目に見えませんが、互いに仲間の活躍を信じて、自分はどうなりたいのか、自分はどこに目標を置くのか、そのことをただ一点、ぶれさせないことです。


 これから先、店舗に配属されていろいろな壁にぶちあたるでしょう。


 仕事に対しての壁、人間関係に対する思い、悩みというものもあるでしょう。しかし、自分一人で悩み苦しまないで先輩社員、店長、あるいは同期の仲間にも相談しながら、一人も欠けることなく、皆さんに、チーフ、店長、マネジャー、次長、部長という幹部職になっていただきたい。


 ただし、自分に甘えて、自分に負けて怠けたい、休みたい、楽をしたいと思ったら、この競争社会の中では通用していかない、厳しくも、おそらく生きてもいけなくなるだろうということも合わせて皆さんにお伝えしておきます…〇

 窓の外の満開の桜が、そよ、と揺らいだ。

2008年04月14日

新得そば

 高校まで北海道旭川に住んでいました。母方の祖父が帯広で電力会社の寮の賄いを含めた管理人をやっていて、小学生くらいまで2、3度、母に連れられて遊びに行った記憶があります。


 寮と言っても旅館のような形で、電力会社の管理職が出張で泊まる宿のようでした。地元の電力会社が宴会で使うこともあり、なかなかの繁盛でした。祖父は調理人で、母は祖父の一人娘でした。私の知っている祖母は祖父の後ぞいで、旅館の女将のように切り盛りし、ぼくらを歓待してくれましたし、ぼくらは旅館に遊びに行ったような感じがしたものです。


 もう50年くらいも前のことですけれど、旭川から帯広には各駅の蒸気機関車に乗って行きました。富良野で根室本線に乗り換えて、落合駅から新得駅までの狩勝峠を越えて行くのですが、その時に機関車がバックをするようにして峠を昇っていったような感覚をおぼえています。


 また、蒸気機関車に乗ってトンネルに入ると、窓を閉めておかなければ車内に煙りが入ってきますし、せっかくお洒落してきた服の襟も、顔もすすけてしまいます。夏は暑ければ、列車の窓を開けて風を入れることができて、窓から入ってくる風がとても気持ちの良いものでした。


 帯広の祖父が亡くなってからは帯広に行くことはなくなりましたが、母の年の離れた一番下の弟、私にとって叔父に当たりますが、叔父が跡を継ぎました。叔父はとても愉快な人で「百も承知、二百も勝手」とか、恐ろしくマイナーな名言(迷言?)を吐いてはよく笑わせてくれました。


 叔父には、とてもきれいで若くて働き者のお嫁さんが来て、子供もできましたけれど、私は東京の大学に進学しましたから、従兄弟と会うことはありませんでした。


 叔父は60代で癌で亡くなり、それ以後、寮管理を続けられなくなって、叔父のお嫁さんは帯広を離れ、根室本線で八つ目の駅新得に住んでいます。昨年、叔父のお嫁さんが元気で暮らしているか、気になって電話をしてみたら「新得はきれいなところよ。若いころやっていた油絵を思い出して時々、新得の風景を描いているわ」と話してくれました。若いときのままの声で、どきっとしました。


 彼女とは小さいときにしか会っていないので、お互いに60歳を過ぎた今も、私に、ちゃん付けで話しかけてきます。懐かしく、今は一人暮らしをしているようで、ちょっぴりもの悲しくもありました。


 義理の叔母が住む新得町のホームページを見たところ、新得町は東京都の約2分の1の面積で、その中に人口が7350人ですから、人口密度が1平方キロメートルあたり7.2人という広さです。


 年間平均気温が6.6℃という涼しさ、というか寒さでしょうか、昼間の暑い夏でも夜は涼しく、こういう気候がそば栽培に適していると言われています。7月中旬から8月まで新得町を訪ねると、国道38号線を包むようにそば畑一面の白、赤、ピンクの花に目を奪われるとのこと。


 ソバロードとも呼ばれ、花の香りも漂い、さながらおとぎの国に迷い込んだような、とてもきれいな景色の中、約1.3㎞を車で走れるそうです。年間700トン、作付面積160ヘクタールを誇る新得町のそば。平成元年第1回全国そば生産優良経営表彰式において、最高の農林水産大臣賞を受賞し、名実共に日本一のそばとして有名な新得そばです。


 亡くなった、そば好きの父は私が小さな子供のころ、新得の干しそばを大鍋にお湯を沸かし自分でゆでて、4人前くらい、ぺろりと食べていたのを思い出します。私にとっても、とても懐かしい新得そばです。

2008年04月23日
とんでん