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ちょっといい話
2009年05月 の記事
2009年05月01日
2009年05月06日

卯の花

 5月のゴールデンウイークも終わり、ハナミズキ、ツツジの花と入れ替わるようにウツギ、卯

の花が咲き始めました。

 陰暦卯月(4月。新暦で4月25日から5月23日)に咲き始める花なので卯の花とも呼ばれて

います。


 茎が中空のため、空木(うつぎ)と名づけられた花木です。庭の生け垣で多く見かけます。

近づいて花びらを見ると、5弁の桜の花を小さくしたような白い可憐な花でした。


 北海道で育った筆者は見たことがなかった花で、これが世に歌われる、と言っても、今は小学

校で歌っているかどうかはわかりませんが、『夏はきぬ』の一番の歌詞「卯の花のにおうかきね

に 時鳥(ほととぎす)早もき鳴きて しのび音もらす夏はきぬ」と歌われる卯の花とは、この

花かと思ったものです。今でも、月に1度の割合で札幌に出張で行きますが、札幌で卯の花を見

かけたことはありません。


 『夏はきぬ』の作詞は歌人、佐佐木信綱さん(明治5年~昭和38年)。明治29年、25歳のと

きに教育唱歌として発表されたものです。朝日新聞の短歌選者、歌人、日本芸術院会員、佐佐木

幸綱さん(昭和13年~)はお孫さんに当たります。


 北海道から東京の大学に進学して、西武池袋線江古田駅に近い大学校舎に通ったのはもう40年

以上も前。授業が終わった後、クラスメートや研究会の先輩に連れられて、よく江古田駅周辺の

居酒屋に行きました。この時期、北海道では食べたことがなかった鯵(あじ)のたたきやフライ

がおいしかったことは今でも忘れらません。


 大学進学で東京に出て来てわかったことは、鯵は、育った北海道で言えば、ホッケやカレイの

ような存在で、いつも庶民のそばにありながら、おいしい魚です。


 鯵は一年中、水揚げされ、食卓にのぼりますが、日本近海物では、春から夏、ちょうど今頃

が、脂が乗っておいしい時期です。


 鰯(いわし)や鯖(さば)と同じ青魚で、血液の粘度を下げ、よく言われる血液さらさら効

果、目の網膜や脳の働きを活性化するDHAやEPAが豊富なことから、動脈硬化、ボケ防止に

も良い食品と言われています。


 とんでんでは5月14日より、近海より産地直送で取り寄せた生あじのメニューをこの一番おい

しい旬の時期に提供致します。

 鯵の刺身をメインに、小鉢は3種で鯵フライ、鯵のほねせんべいのマリネ、煮物、茶わんむ

し、ご飯、味噌汁、漬物がセットの「あじ御膳」。

 あじ、いか、さけ、まぐろ、えびを一盛りにした豪快な「旬鮮刺身膳」もおすすめの一品。


 とんでんの〃北海道そば〃はお馴染みとなっていますが、関東の店舗は摩周そば、北海道の店

舗は黒五穀そばと地域によって違いますが、あじの巻き鮨と組み合わせた「あじ鮨」をセットし

たメニュー、大ざるそばとえびとかにの天ぷらをセットしたメニューの2品もぜひお試しいただ

きたいお品です。


そのほか単品の「あじのサクサクサラダ」「あじ鮨」「あじフライ」「あじのにぎり鮨」と、

一番おいしい時期の鯵メニューを7月15日までいろいろとお楽しみいただけます。


 なお毎年、この時期、期間限定の北海道の幸「ホワイトアスパラのサラダ」は収穫が始まり次

第、開始させていただきます。


 どうぞ、連休後も新鮮な鮮魚メニューをご用意しておりますので、ご来店をお待ちしておりま

すし、5月10日(日)の母の日は、特別メニューをご用意しておりますので、ご家族そろっての

お出でをお待ち申し上げております。

2009年05月16日
2009年05月27日

包丁研ぎ

ひと雨ごとに緑が濃くなっています。ほんのひと月前、華やかに春を飾る花を咲かせ、花を散らした桜の木も、あっという間に、目にも濃い青葉で幹も枝も隠してしまっています。
 その桜並木の下で、雨の好きな紫陽花(あじさい)の花のつぼみが大きくなって、今にも咲きそう。きっと梅雨入りを待っているのでしょう。


 アジサイの名前の由来は、花の色の藍(あい)が集まったものを意味する「集(あつ)」と「真藍(さあい)」の合成語が変化していったという説があります。


アジサイの花は、花びらのように見えるのが萼(がく)で、花はその中の小さな粒々。何か理由があってのものだろうから、アジサイに聞けるものなら、どうしてそうなの?と聞いてみたい気がする。でも、言われてみれば額紫陽花(がくあじさい)が、その説明にぴったり合う花でしょう。


 大卒新入社員のA君。キッチンに配属されて2カ月が過ぎた。勤務終了後に、先輩のチーフから包丁の研ぎ方を見てもらっている。
 新入社員導入研修で、研修スタッフから教えられた「切れる包丁で調理をすることが基本」ということが強く頭に残っていて、研ぎ方をきちんとマスターしておきたかった。


 大学を出るまで、学生寮に入っていたこともあって、包丁を握ること自体、ほとんどなかった。
 「家庭の包丁と違って、店の包丁はよく切れるから気を付けろ」とチーフから何度も言われていた。


よく水を吸った砥石を前に立つA君。
砥石に刃を寝かせ、押したり、戻したりする力加減がうまくつかめない。 刃を押すのはそう感じないが、刃を手前に戻すときに指を切るようで恐い感じがなかなか抜けない。


 先輩のチーフが研いでいるのを見ていると、シャッ、シャッと研ぐ音も心地よい。
「馴れ(なれ)だよ。毎日やっていれば、必ずこつはつかめる」とチーフ。
 「はい。頑張ります」と彼は手を休め、チーフの顔を見ながら、ほほえんでいる。


「どうした?」とチーフは少し怪訝(けげん)な顔で聞いた。
「はい。チーフ、私が包丁研ぎを完璧にマスターできたら、その技術をまだ良くできない人達に教え、包丁の切れ味では全店一と言われるようにするのが私の目標です」と、口を真一文字にむすんだ。
「そうか。うれしいね。何でも目標を持ってやると確実に前進する。その目標に一緒に向かってみようじゃないか」と賛同したチーフ。


「はい!」若い彼の顔が磨かれた包丁の刃のように、ピカッと光った。


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