6月初めの札幌ドーム。

「マネジャー、また、会いましたね」

とんでんで勤務する30歳を過ぎた彼女はにこやかに言う。

「おう。来たかい。今日は休みの店長もチーフも、社員も見かけたな。旦那さんと一緒のパートさんも来てるよ。今日はお子さん、連れてきたのかい?」

「はい。今日もいつものメンバー、そろってますね。平日は7時半過ぎたら半額の千円になるから、テレビ観てるより、やっぱり迫力あるしょ。今日は父さんも出張で帰って来ないから、子供に、行く? って聞いたら、行く行くって言うし、よっしゃ、行こう! って、来てしまいました。ハハハッ」

「女の子なのに、野球、好きなのかい?」マネジャーの目がまるくなっている。

「お姉ちゃんがダルビッシュのファンなのよ。大が付くかな。ねえ?」

「お母さん。すわろうよ」妹の手を引いている女の子がお母さんの袖を引っ張って言う。

「あっ、ごめんごめん。マネジャー、横の席あいてる?」

「あいてる、あいてる、すわればいいっしょ」

「マネジャー、けっこう酔ってるしょ?」

50歳を少し越えたマネジャーの鼻が赤い。

「さっき来たばっかりなんだけどね。ここでビール飲むの楽しみにしてんだわ。ハハハッ。おう、打った! 新庄がいなくなっても日ハム強いわ。連勝、連勝、連勝驀進中ってか」

 札幌ドームでおこなわれている北海道日本ハムファイターズとセ・パ交流戦の観客席の会話です。

 北海道はどちらかと言えば、圧倒的に巨人ファンが多かった。今でも、セ・リーグは巨人、パ・リーグは日ハムと言うファンは多い。しかし、日ハムが北海道をホームにしてからは、がらっと一変して、日ハムファンが一気に増えた。老若男女を問わず、今まで、野球に興味のなかった人たちまで札幌ドームに足を向けさせた。日ハムは北海道民にプロ野球を身近なものにした。

 特に昨年は新庄選手の引退の花を飾るように、リーグ優勝、日本シリーズ優勝という日本のプロ野球界の最高峰を昇りつめ、北海道中がそのうれしさで沸いた。

「帰り、つきさむ温泉で、また飲むんでしょ?」と彼女。

「勝っても負けても、つきさむ温泉さ。行く?」

「今日はわたし、子供たち連れてるから、子供と温泉だけ入りに寄るわ。マネジャーは泊まっていくの?」

「うん。母ちゃん、自治会の懇親旅行でいないから。明日、公休だし、今夜は自分だけに気つかえばいいからさ。試合終わったら、何人かさそって温泉につかって、もう一回飲み直して、泊まって、おいしい朝食バイキングを食べて、それから家に帰るわ。おう、三振! やっぱダルビッシュはちがうわ。ハハハッ」

球場全体に拍手がこだまする。

 プロ野球観戦でも、店舗、恵庭工場、つきさむ温泉、とんでんビジネススクール札幌校の仲間と会える北海道地区です。