なんでもそうでしょうが、特に職業は好きな仕事でなければ長続きしないと言われています。しかし、仕事に就いてみないと、その仕事が好きかどうかわからないという面もあります。  また一方、仕事はどんなものでも厳しいものがあるけれど、会社が良くて、私共とんでんであれば、店舗あるいは職場が良くて長続きするということもあります。 「うちの店は、ここ何年も費用の高いチラシ等の募集広告を出さなくても、お店の前のバナー(旗状の広告)や店内ポスターを見て、パートさん、アルバイトさんとして応募してくださっています」と胸を張って話す店長がいます。  人員補充のための採用で苦労している店舗が多いなか、あらたに経費を掛けることなく採用できることをうらやむ店長は少なくありません。 「うちの店は、本当に退職者が少ないのです。ご主人の転勤とか、親御さんの介助が必要になってとか、よんどころないプライベートなことが退職理由で、仕事が合わないとか、職場がおもしろくなくて、ということはないので、永く勤務されている方が多いのです」とこれまた、にこやかに話します。  それに、とつづけて、 「アルバイトさんも大体、大学進学や就職でやめていくのですが、大学に進学しても続けて勤務されている学生さんもいますし、場合によっては就職したけれどもそこになじめなくて、パートさんで再雇用してくださいと言って戻って来る方もいらっしゃいます。ありがたいですし、とってもうれしいですよ」と、先ほどより、もっとほほえんで話すのです。  きっと、居心地の良いお店なのでしょうね、と聞くと 「それはまあ、当然です。お客様も同じ理由で、うちの店で必要な仕事をしてくださる人がなぜ、集まるかと言うと、雰囲気です。お店の雰囲気が良いから、お客様も、仕事をしていただきたい人も集まるのです」と言いながら、少し照れています。 「自慢しているように聞こえるかもしれませんね。でも、本当に、お店の雰囲気が良いのです。うちの従業員だけでなく、お客様にとって、居心地の良いお店なのです。なぜって、永く勤務されている人が多いって言いましたよね。だからと言って、年輩者ばかりという構成ではないんです。これが、どの年代もまんべんなくいるのです。お客様に居心地が良いと思っていただけるのはこのあたりだと私は思っているのです。お客様にさまざまな年代の方がいらっしゃるように、従業員も色々な年代の人がいると安心なのでしょうね」  なるほど。 「そしてですね。従業員の皆さんにいつもお話ししているのですが、お願いしていることは家族はもちろんですが、友人、知人に紹介できるお店になっているかと自分に問いながら仕事をしてくださいということです。ですから、皆さん、仕事についてはとても厳しく、真剣に取り組んでいただいています。うちの店が居心地の良い、あたたかい雰囲気の店だということは、うちの従業員の誰もが、そういう店で食事をしたいと思っているからです」  これをお読みのお客様、雰囲気の良い、あたたかなお店をご利用であれば確かにこのお店です。