飲食業はサービス業とも言われ、一人一人のお客様に合わせて対応できなければなりません。マニュアルどおりにいかない、と最初から思って、お客様に接しなければ二進も三進も(にっちもさっちも)いきません。

 その意味で経験とセンスが必要な職業でもあります。

 和食レストランとんでんでは創業40周年を記念して、感謝キャンペーンをおこなっています。

 メニューの対象商品にスピードくじが付いています。

 さらに応募券を5枚集めて専用応募ハガキに貼って、店頭の応募箱に投函するか郵送していただくと、抽選でダブルチャンスの特等が「関東圏にお住まいの方であれば北海道2泊3日の旅」「北海道にお住まいの方であれば東京か沖縄2泊3日の旅」がそれぞれ2組4名様に当たります。

1等はとんでんのお食事券1万円分が20本 2等はとんでんのお食事券5千円分が200本 3等はとんでんのお食事券3千円分が300本です。

 6月末で、第2回目のダブルチャンス応募が締め切られ、7月7日に抽選がおこなわれます。 -- 勤務歴3年の女性社員から聞いた話を紹介します。6月最終の日曜日のディナー。その日、彼女はフロアー担当でした。

小学校に上がる前のお子様3名をお連れになった、まだお若いご夫婦のお客様をお席にご案内しました。5歳、3歳、1歳くらいのお年のお子様でしょうか。

お子様ですから、スピードくじのことは気にすることなく、お好きなものを注文されました。上のお子様はメニューから「サッカーボール」、2番目のお子様はフライドポテトの単品でした。一番下のお子様はお母様のお食事の中から何かお与えになるような感じでした。

「サッカーボール」はスピードくじの対象商品ですから、当然のように お子様スピードくじが入った箱を持って5歳の男のお子様に引いていただきました。ミニデザート券が当たり、彼女は「おめでとうございます」と にっこり言って席を下がろうとした途端に下のお子様が泣き始めました。

 それもどんどん泣き声が大きくなっていくばかりでした。つられて1歳のお子様も泣き始め、合唱状態になってしまいました。

 5歳のお子様もまゆをしかめて困ったような顔をしていました。いったん、下がっていましたところ、チャイムが鳴り、お呼びでしたのでお席に伺いました。

 お母様が、泣いているお子様たちをなだめながら「あのう、うな重単品でもスピードくじはつきますか? パパ、ね」とご主人の顔も見ながらフロアー担当の彼女に聞きました。「はい。つきます」とお答えしましたところ、すぐに追加オーダーをしてくださいました。

 彼女は、お母様なりの機転なのでは、と察知して、少し急ぎ足でステーションに行って、店長に相談をして一般くじではなく、お子様くじを持ってお席に戻り、泣いているお子様に「くじをどうぞ」と差し出すと、泣き声がぴたりとやんでしまいました。

お母様も「よかったねえ」とお子様の顔を見ながら、本当にうれしそうにほほ笑んでおられました。

引いたくじをお母様に渡して開けてもらい、「当たったわよ。ソフトクリーム!」とお母様が声を上げてお子様に伝えます。お子様は目を大きく開けて喜んでおられます。

 そして「ありがとうございます」とお母様から言われて、彼女はとても不思議な気持ちになりました。「おめでとうございます。こちらこそ、ご注文いただきまして、本当にありがとうございます」と彼女は深いお辞儀をして下がりました。

お母様の機転に、自分はどれほど機転をきかすことができたろうか、サービスでこれが正解、というものはないんだな、と思いながら、この日も勉強になったと胸の中の日記にしるしたそうです。

 「それにしてもソフトクリームが当たるなんて、神様、できすぎです」ということも付け加えて。

※創業40周年感謝キャンペーンは8月27日(水)まで。ダブルチャンスの第3回締切は9月5日(金)到着分までです。