今年のとんでんの入社式は桜の花咲く4月1日におこなわれました。20数年前から、入社式の前に6日間の新入社員導入研修が泊まり込みでおこなわれています。

 学生から社会人になるための、たとえて言うと、サナギから蝶になるための羽化の期間をもうけています。

研修を担当するのは現在、とんでんビジネススクールのスタッフ。社会人として必要なマナー、食堂業に身を置く者の必要な知識、鮨手握り実習もあります。

今年のタイムスケジュールには、社長講話はじめ、営業部、商品部、事業開発部、人事部の時間も組み込まれていました。

 これから紹介するのは、営業部の時間で新入社員に熱く語った、今年3月1日付で営業部長に昇進したG部長の話の要約です。

 このG部長の逸話(いつわ)については、この”ちょっといい話”で、昨年1月の「風の音が聞こえるか」、5月の「伝説のジャンケン王」、7月の「怒涛の最終回」で登場しています。

それではこれから3回の連載で、G部長の熱いメッセージの部分だけを要約してお贈りします。

 きっと、年齢、職業を問わず、胸をゆさぶるものがあると思います。

 〇…私は昭和34年に生まれまして、今年49歳を迎えました。営業部長とは言え、皆さんと同じ部長の1年生です。49歳になり、24歳の息子と22歳の娘がいます。だいたい皆さんと同じような年代の息子と娘を持っています。

 私が入社したのは昭和57年、札幌のとんでんです。北海道の店舗を2店舗経験し、昭和61年に関東のとんでんに来ました。当時、関東の出店をしていこうということで出店ラッシュがかなりの勢いで続きました。

 出店ラッシュを通して、店長、地区マネジャー、次長、そして今年の3月1日付で営業部長として仕事をすることになりました。

 自分の入社した頃のことを思い返しますと、もともとの入社動機というのは、大学生の時に一人暮らしをしていたのですが、今の時代とは違い、食べること自体に不自由をしていたというと、両親に失礼かもしれませんが、とんでんという会社に面接に行き、当時ランチで580円のすし定食というメニューを食べた時に、ものすごく感動しました。

 お昼の時間とは言え、580円で鮨を食べられるという会社にものすごく魅力を感じ、それで入社しました。

 食べることに苦労はしないだろう、食に携わっている仕事であればそういった苦労はないだろうということで、不純な動機であったのかもしれませんが、縁があってとんでんに入社し、正直、入社できなかった大手企業に絶対に負けない気概を持って、一流、超一流のことをやってやろうじゃないか! という気持ちが自分にありました。そこから北海道の店舗を経験し、関東に来て、はや49歳を迎えます。

 これから鮨の手握りの実習に入っていくと思いますが、アルバイト経験のある方がいると聞いております。

 アルバイト経験がある中で、実際にお鮨を握っている方も中にはおられると考えますが、今日が初めて手握り実習であっても、アルバイト経験のある方に少し遅れをとっているかもしれませんが、大事なことは「負けたくない!」という気持ちです。

 結果としてアルバイト経験のある方に、遅れを取るかもしれませんが、大事なことはそのハンディを背負ってでも「絶対に一番になってやるんだ!」という気持ちが大事なのです。

 たとえ一番になれなかったとしても、その悔しさがあれば、また次の目標に向かってスタートしていけば良いのです。悔しいという思いが必ず次の目標に向かっていく力になります。

 負けたことをしっかり自分の心に受け止めて、次は絶対に勝つんだ! という気持ちを持つことが大事なのです。

 私は2年前まで店長でした。一昨年の春に次長職の辞令をいただき、この春、部長職の辞令をいただきました。

 店長だった時の話ですが、毎日が戦争のような日々で土曜日、日曜日はさらに忙しく、特に私共で言う繁忙期とはゴールデンウィーク、お盆、年末年始で、年に3回は勝負の時期です。

 その繁忙期を万全に迎えるために何をしようか、お客様により多く来店していただけるために「今、何をやらなければいけないか?」ということを常に考えました。仕事というのは競争です。繁忙期に向かって自分の心の中では、気持ちの中では、ケンカの準備でいました。

 競争はケンカです。ケンカに負けるか、勝つかなのです。競争相手と決めた相手に負けるケンカもあれば、自分が決めた目標に負けるケンカもあるのです。負けるだけではなく勝つケンカも、もちろんあります。

 ケンカの準備をして繁忙期を迎えるのですが、このことにどれだけ自分が頑張れるか、頑張ったか。絶対に負けない! という気持ちがあれば頑張れるのです。

 頑張れば頑張るほど「誰にも負けるはずがない!」と自分自身に言い聞かせるのです。こういう気持ちが本当に大事だと考えます…〇 つづく